自由遊戯黙示録

フリーゲーム/インディーズゲームをディープに語る

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がんばれ!菜月さん!:発想の連鎖の先に向かって進め!

今回取り上げる『がんばれ!菜月さん!』を紐解く上では、まず、フリーゲーム開発者コミュニティ「ゲームヘル2000」と、そこで生み出された『えぐぜりにゃ~』について触れる必要がある。

「ゲームヘル2000」は『wisplisp heehaw』などのシューティングゲームを製作した「ヤルハラ」の丼氏によって立ち上げられたフリーゲーム開発者コミュニティである。
そこでの成果物のひとつとして、『Every Extend』を代表作に持つOMEGA氏によって『えぐぜりにゃ~』が製作、公開された。

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・『えぐぜりにゃ~ AGAINST』

『えぐぜりにゃ~』は、ゲームタイトルからも連想できるように、童社のシューティングゲーム『トリガーハート エグゼリカ』の「ワイヤーアンカーで敵を掴み、振り回し、投げ飛ばす」システムを基としたアクションゲームである。
出現する”おやつ”を”アンカー”で掴み、別の”おやつ”にぶつけてやっつけるのが目的となる。

exeli_01.jpg
・アンカー捌きが勝利の鍵

『えぐぜりにゃ~』は、ゲームヘル2000が提唱する「やわらかライセンス」でリリースされている。
この「やわらかライセンス」は、画像素材やアイデアの流用、プログラムの改造などを許可するもので、ゲーム製作者に柔軟な発想を呼びかけるライセンス形態となっている。

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・『えぐぜりにゃ~縦シュー』。『えぐぜりにゃ~』改造版のひとつ



さて、ここからようやく『がんばれ!菜月さん!』の話である。

『がんばれ!菜月さん!』も、やわらかライセンスによる『えぐぜりにゃ~』の改造版のひとつとして、ゲームサークル「あるふぁ~秘密基地」によって製作された。

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ところが『がんばれ!菜月さん!』と『えぐぜりにゃ~』の共通点はもはや”アンカー”と”おやつ”しか残っておらず、別物のゲームといっても差し支えないほどの物になっている。
まず、『えぐぜりにゃ~』は原作のシューティングゲームのテイストを残した作品であったが、『がんばれ!菜月さん!』は”ジャンプとアンカーを使い、おやつを全て集める”というパズルアクションとなっているのである。

『えぐぜりにゃ~』で敵を掴むために利用していたアンカーは、『がんばれ!菜月さん!』ではブロックを掴んで、その場所を軸に移動するために利用する。
このアンカーを使った移動アクションが『がんばれ!菜月さん!』の肝となる部分である。

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・アンカーを打ち込む

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・打ち込んだ場所を軸にして、ぐるんと大回転

ジャンプとアンカーを駆使できるようになれば、正に縦横無尽の流れるような動きを実現することができる。
『がんばれ!菜月さん!』は戦闘アクションではないが、自由自在に動き回るというアクションゲームの快感が凝縮されている。
往年のゲームに詳しい人間ならば、『海原川背』や『ヒットラーの復活 トップシークレット』などのワイヤー・ラベリング・アクションを思い起こす向きもあるだろう。

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・アンカーを使って振り子のように移動

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・ジャンプで跳んで、すかさずアンカーを別の場所に打ち込み直す!

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・再び振り子移動で先に進む。気分はターザン

また、全50面のステージ構成もパズル性に富むものになっている。
アンカーの使い方如何でステージクリアへの道順はいくつもあり、究極的にはほとんどのステージでジャンプを使うことなくクリアすることも可能となっている。
クリアタイムやジャンプ回数は記録され、リプレイ機能も備わっているので、全面クリア後も華麗なアクションの追及に勤しむことができる。

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・ワイヤーの長さに気をつけないと、針に刺さるぞ~

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・垂直な壁だってワイヤー1本で登っちゃいます


『トリガーハート エグゼリカ』から『えぐぜりにゃ~』へ。
そして『えぐぜりにゃ~』から『がんばれ!菜月さん!』へ。
その留まる所を知らない発想の連鎖には驚愕を禁じえない。

そして、その発想の生まれた源泉であり、近年のフリーゲーム界に見られる傾向として、「3分ゲーコンテスト」や「ゲームヘル2000」のようなゲーム開発者同士によるコミュニティの形成がある。
このようなコミュニティの活動に、今後のフリーゲームの新たなる発展の可能性を期待したい。



願わくば、フリーゲームが
企業による商業作品では決して見られないような自由な発想と鋭く尖った個性、
アイデア倒れに終わらない本質的で絶妙なゲーム・バランスを備え、
なによりビデオゲームに対して真摯で、カジュアルな「暇つぶし」とは呼ばせないだけの情熱を持った、
真に自由な”フリーゲーム”であり続けるように。


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  1. 2007/07/31(火) 00:14:59|
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ガスト:今一度、ゲームと向き合うということ

かつて僕らは”ゲーマー”だった。
その言葉は、今ではもはや時代遅れの古臭いものとして”オタク”の中に埋もれていったように思う。


『洞窟物語』で全世界を震撼させた開発室Pixelが、次に送り出した作品が『ガスト』(Guxt)である。

guxt_00.jpg


『ガスト』はショットのみで全5面を戦い抜くオーソドックスタイプの縦スクロールシューティングゲームである。
アイテムを取ることで攻撃タイプが切り替わり、オート連射が効くようになる。

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・撃つ、避ける。これぞ正統派シューティング

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・後ろからも敵は出現する。アイテムで装備を切り替えて対抗せよ

また、敵キャラクターやステージ構成に様々なギミックが盛り込まれており、レトロ感溢れるドットグラフィックとPCM風サウンドに加えて、「隠しキャラ」の存在が1980年代的である。

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・同作者の『いかちゃん』が友情出演

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・隠し武器のロケット砲。ボス攻略に絶大な威力を発揮する

guxt_05.jpg
・倒したボスのコアからシールドが入手できる。攻略上、非常に重要

難易度はやや低め。最初の残機は少ないがエクステンド(残機UP)の回数が多い。
場面に応じた武器の選択が分かってしまえばクリアはさほど難しくない。
シューティングをやってみたいが、弾幕系はちょっと気が引ける、という人にはうってつけだろう。


しかし、『ガスト』において全面クリアはただのスタートラインでしかない。

『ガスト』の真価が全面クリア後のスコアアタックモードにあることは明白だ。
スコアアタックモードでは自機が撃破された時点ですぐさまゲーム終了となるため、一度ゲームをクリアしたことで積んだ知識と経験、そして鍛えた反射神経がものをいう真剣勝負と化す。
また、一度やられてしまえばそこで終了となるということは、復活の概念もまた存在しない。
わざと撃破されて再開ポイントまで戻り、改めて敵を倒すことで得点を稼ぐ手法を使うことは出来ないのである。

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・真の戦いはここから始まる

初心者にとってはノーミス自体が挑戦であり、上級者にとってはノーミスはできて当然のものとして”更に先”を目指す必要がある。

スコアアタックモードの存在は”一発でクリアしろ”という挑戦状であり、それは同時に”一発でクリアできる”という回答そのものでもある。
さながら「打てば響く」と言わんばかりのアピールではないか。
プレイヤーの方が赤面してしまうほどに全てをさらけ出し、真っ直ぐな眼差しで『ガスト』は見つめてくるのである。

guxt_07.jpg
・『ガスト』で登場する敵キャラクター達は全て目玉をあしらっている

『ガスト』がノーガードで来たからには、プレイヤーとしてはこれを全力で打ち倒しに行くほか無い。

『ガスト』が思い出させるものは、ドット絵やPSG風音楽といった所から連想される安易な8ビットへのノスタルジアでは決して無い。
時代が進み、技術や演出が進歩したことでゲームから真っ先に失われた、
製作者とプレイヤーの間で交わされる言葉無きキャッチボールを取り戻したのだ。

『ガスト』の製作者は、かつて自分が遊んできたゲーム達に対する敬意と研究、現代的な配慮、そして大いなる情熱を持ってこの『ガスト』を完成させた。
そして”ゲーマー”と呼ばれることの無くなった新旧全てのゲーム・プレイヤー達へ、静かに問いかけ続けている。


ならば、僕らは今一度、ゲームそのものと真正面から向き合うべきなのだ。


ストーリー、キャラクター、ビジュアル、サウンド、難易度…
現代ではインターネットの上において、ゲームを巡るひがんだ言説ばかりが先走るようになってしまった。
しかし、本来もっと真剣に、あるいは素直に、喜怒哀楽の様々な想いを乗せてゲームを楽しむことができたはずなのだ。
かつてファミリー・コンピュータが出現した時、そうであったように。

「たかがゲーム」と人は言う。
だが僕は「たかがゲーム」にすら真剣に取り組むことができない軽薄な人々を呪い、そして、
「たかがゲーム」だからと言って妥協することをしない、その真摯な態度こそを愛してやまない。

媚びを売ることを覚えてしまったクリエイター達に、ゲームに遊ばれることに慣れてしまったプレイヤー達に、『ガスト』を直視できるだけの勇気が残っているだろうか?



もう止めにしよう。
今すぐブラウザを閉じてゲームパッドを握れ。

それが、信ずべきものを失い、言葉が溢れ使い捨てられていくこの世界の中で、
言葉を持つことを許されなかった僕らが唯一持ちうることのできるコミュニケイションなのだから。


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  1. 2007/07/26(木) 00:09:21|
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洞窟物語:フリーゲーム史上最高傑作

かつてこのゲームをプレイし、クリアしたとき、私は語るべき言葉を失った。
だが現在、フリーゲームについて何かを述べる以上、この奇跡とも呼べる作品を避けて通ることはできないだろう。

『洞窟物語』である。

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『洞窟物語』はPixel氏がただ一人、5年もの歳月をかけて作り上げた横視点アクション&シューティングゲームである。

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・物語は、記憶を失った主人公が洞窟の奥で目覚めたことから始まる

プレイヤー=主人公は、洞窟の謎、戦いの謎、自分自身の謎を解くために、武器を片手に様々な障害を排除しながら洞窟の中を探索していくことになる。
複雑な操作などは無くすんなりとプレイを始めることができ、操作感覚も非常に良好で、キーボードでのプレイも十分に可能である。

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・様々な脅威を警戒しつつ、洞窟を進む

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・お宝発見!


洞窟を進む上では、ゲームを進めていくと入手できる様々な武器の使い分けが重要となる。
武器は、敵を倒して経験値アイテムを取ることでレベルを上げて強化できるが、ダメージを受けると上げたレベルが下がってしまうため、ダメージを受けないよう慎重に進んでいくことが大切になる。

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・経験値を溜めてパワーアップ

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・地面を転がり進む武器「ファイアボール」。高いところから使うと便利


冒険の舞台となる洞窟は広大で、ステージごとに様々なギミックが施されている。
マップデザインは秀逸の一言で、絶妙なアスレチックアクションが楽しめる。
敵キャラクタやブロック1つ1つの配置に至るまで意思が通っているのを感じられるほどである。

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・的確なジャンプで進め

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・水の中では空気がなくなると溺れてしまう

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・ボス出現!攻撃をしのいで、弱点を突け!

また、一度ゲームを終えればそれまで、と言うわけではなく、リプレイ・バリューにも富んでいる。
『洞窟物語』のエンディングは3種類に分岐するため、それぞれのエンディングを目指すこともできるし、洞窟各所に様々なアイテムがあるのでそれを探して回る楽しみもある。
それでも飽き足らなければ、強烈な難易度を誇る隠しステージでのタイムアタックに挑むという遊び方もある。

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・いきなり針山地獄!しかし…

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・ブースターを限界まで駆使して進めば…

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・着陸成功!恐ろしいまでに絶妙!!

『洞窟物語』は、ゲーム初心者もハードコアゲーマーも遊びこむことが可能な、やりごたえのあるゲームに仕上がっているのである。


ゲームプレイ以外の要素にも目を当ててみれば、
グラフィックはファミリーコンピュータ時代のようなドット絵で、どこかレトロな雰囲気になっている。
しかしながら決してクオリティの低いものにはなっていない。

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・花園。水の表現も芸が細かい

サウンドには独自の音源「オルガーニャ」が使用されており、これが奏でる音色もまたレトロゲームを彷彿とさせる。
特に、ゲームが後半へと移り変わっていく際に流れる「つきのうた」はメロディーが美しく特徴的で、ゲーム中に広がる風景とも合わさって物悲しさを引き立たせている。

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・『洞窟物語』のBGMを再生できるソフト『オルガーニャ ビュワー』

暖かさと悲しさが交じり合うストーリーと、個性的なキャラクター達の存在もまた『洞窟物語』の魅力のひとつであり、『洞窟物語』の”物語”たる所以だ。
洞窟の原住民「ミミガー」達、科学者チームの坂本カズマ・スー兄妹にブースター博士、呪われた魔女ミザリーとその子分のバルログ、戦友カーリーブレイス、誰も彼もいとおしい人々ばかりである。

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・兎風の種族「ミミガー」のリーダー、キング

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・謎のトースター型キャラ、バルログ。たびたび主人公の前に立ちはだかる

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・カーリーブレイス。ちょっとドジだが面倒見はいい、ナイスな姉御

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・ブースター。その名の通り、ロケットブースターの研究が専門

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・「はぐれ銃鍛冶」こと釜谷鉄造。彼の言葉には「作り手」としての想いが詰まっている

恐ろしいことに、アクション、ステージ、グラフィック、サウンド、キャラクター、ストーリー、こうした要素のひとつひとつにイガミ合いが発生しておらず、全ての調和を持って『洞窟物語』のゲーム世界が構築されている。

その隙の無い完成度に、筆者はPlayStation2の『ICO』を連想せざるにはいられなかった。

また、細かい点になるが、ファイルサイズの小ささも特筆するべき点だろう。
zip圧縮時の状態で900キロバイトと、1.44メガバイトのフロッピーディスク1枚にすら収まる容量となっている。
グラフィック・サウンド・プログラム等の進歩によりゲーム中のデータ量が肥大化していくなかで、このデータ量の小ささはフリーゲーム「らしさ」の現れと言えるだろう。


さらにこの作品の人気は日本国内にとどまらない。
海外のゲームニュースサイト「Insert Credit」において取り上げられたことをきっかけに(http://www.insertcredit.com/archives/2005_01.html)
有志による翻訳プロジェクトが設立。英語訳パッチが製作され、世界中で広くプレイされることとなった。
海外では音楽アレンジメントや開発者への単独インタビューが行われ、ゲームファンの間では『Doukutsu』や『Cave Story』で通用するほど国際的な知名度は高い。


…ああ、やはりこんな言葉をいくら積み重ねたところで、この作品の素晴らしさがどれだけ伝わるというのだ。


断言しよう。このゲームはフリーゲーム史上最高傑作である。

いや、フリーゲームはおろか商業作品を含めたビデオゲーム全体で見ても、このゲームに匹敵するほどの熱中や感動をもたらしてくれるゲームはそう多くは無いだろう。


2004年12月。
2000年代前半のフリーゲーム・ラッシュの最後を飾る作品として『洞窟物語』は堂々たる輝きを放ち、そして、その圧倒的な完成度をもって、フリーゲームのひとつの黄金時代にとどめを刺した。


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  1. 2007/07/23(月) 00:36:56|
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Chalk:チョークと黒板の距離感

誰しも学生のころ、黒板にチョークで文字や絵を書いたりした経験は持っているだろう。
その黒板とチョークが、一体どうすればこのような強制スクロール型のアクションゲームになるのだろうか。

そのアクションゲームのタイトルはズバリ『Chalk』。

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『Chalk』の操作は基本的にマウスで行う。
右クリックすると、自機をカーソルの位置まで移動させることができる。
(自機の移動はキーボードのW,S,A,Dキーで行うことも可能)
そして、左クリックを押しながらマウスを動かすことで、画面にチョークで線を引く。
このチョークを使って敵キャラクターをやっつけていくアクションが『Chalk』の特徴である。

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・緑丸と白線の障害物:一団の緑丸全てにチョークを引くと消すことができる

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・黄色の敵:紫の弾を発射してくる。紫の弾と一緒にチョークを引くことでダメージを与えられる

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・青色のアイテム:左クリックで掴み、引っ張ったり投げ飛ばすことができる

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・白い弾:チョークで線を引いて盾を作ると、はじくことができる

一般的なアクションゲームやシューティングゲームのように、プレイヤーがキャラクターを操作し、キャラクターを介して敵を攻撃するのではなく、あくまでもプレイヤー自身が直接チョークで画面に線を引いて攻撃する。
ダイレクトさとダイナミックさを併せ持つ『Chalk』のチョーク・アクションは、ゲームとプレイヤーの間に独特かつ絶妙な距離感をもたらしている。

それは、学生時代にチョークを持って黒板の前に立った、あのときの距離感なのだ。

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・チョークで敵の上に線を引くと、動きを少し止められる

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・ズバッと線を引いて、必殺まとめ消し!

また、ステージにちりばめられたギミックの豊富さも『Chalk』の魅力である。
「チョークで線を引く」というたったひとつのアクションが多種多様な顔を見せ、驚きと同時にゲームの攻略性を生み出すことに成功している。
同じくチョークで描かれたかのような可愛らしいグラフィックも相まって、『Chalk』には知的な楽しさが満ちている。

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・ステージボスと対決。攻略法を上手く見つけ出そう

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・時計の針を掴んで時刻を合わせるべし

『chalk』をプレイする上で筆者が特に推奨したいのが、ペンタブレットを使用してのプレイだ。
ニンテンドーDSの普及によって、タッチパネルやタッチペンを利用して操作するゲームが一般的になってきたが、この『Chalk』ほどペン操作が似合うゲームも他には無いだろう。


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  1. 2007/07/20(金) 20:53:29|
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Future Pinball:辿り着いた究極、微かに残る未来

ビデオゲームが生まれる以前、電子機器を使ったアーケードゲームと言えばピンボールのことであった。
また、ビデオゲーム誕生後も多くのビデオゲームメーカーがピンボールのビデオゲーム化を行ってきた。
ビデオゲームの歴史を知るものならば、その影にはピンボール・マシンがあったことを忘れてはならない。

そんな思いを込めて、今回は3Dピンボール・シミュレータ『Future Pinball』を紹介したい。

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ビデオゲームのピンボールといえば、任天堂『カービィのピンボール』などのように「ボールを弾いて敵を倒す」タイプのゲームが主流であり、弾道などもアバウトなものだった。
より弾道をリアルにシミュレーションし、実際のピンボールをルールを模して「様々な役を完成させて得点を競う」という本格的なビデオ・ピンボールは、KAZe社の『ラスト・グラディエイターズ』『ネクロノミコン』を待たなければならなかった。

そして、『Future Pinball』はそうしたビデオ・ピンボールの更に先を行く。
まずは黙って、この画面を見ていただきたい。

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従来のビデオ・ピンボールではゲームを行う盤面のみを表示するスタイルだったのに対して、『Future Pinball』では筐体そのものからシミュレーションして表示している。
当然、あらゆる角度から筐体を見ることが可能となっており、これだけでも圧倒されるほどの迫力がある。

また、肝となる弾道計算にも抜かりはない。
『Half-Life 2』に使用されたHavokエンジンに代表されるように、高度な物理演算処理の搭載がゲーム開発におけるトレンドのひとつとなっているが、『Future Pinball』はその恩恵を強く受けたのである。
緻密な物理演算によって実物のピンボールをプレイしているかの如き臨場感を味わうことができる。
実台では、たとえ同じようにボールをピンで弾いたとしてもスピンなどの影響が加わり、全く同じようにボールが飛翔することは無いが、それと同様の事がゲーム内でも起こるのだ。

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・プレイ中はボールの”重さ”を感じることができる

更に飽き足らないことに、ピンボールを遊ぶのみならず、ピンボール台をユーザー自身によって設計することが可能となっている。
設計機能も豊富で、Visual Basic風のスクリプト言語を搭載しており、様々なイベントを作ることができる他、ビットマップ形式で設計した台の青写真を出力できる機能が備わっているほどの懲りようである。

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・設計画面。バンパーやレーンを設置していくことができる

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・台をワイヤーフレームで見る

当然、他のユーザーが作成したピンボール台をフォーラムなどからダウンロードして遊ぶこともできるため、『Future Pinball』にはまさしく無限の未来が広がっている。

マシンに強力な性能を要求することになるとはいえ、『Future Pinball』は究極のヴァーチャル・ピンボールと言って差し支えないだろう。



さて、現在、ピンボールを巡る状況は絶望的と言わざるを得ない。

実物のピンボール・マシンはビデオゲームの発展とそれに伴う競合、スコアのインフレーション等に代表されるルールの複雑化で衰退し、電子部品のメンテナンスに手間が掛かることも重なってその数を急速に減らした。
メーカーも次々と撤退・倒産し、2007年現在、ピンボール・マシンを製造しているのは世界でStern Pinball社ただ1社となり、ピンボール・マシンは天然記念物も同然となってしまった。

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・Stern社のピンボール・マシン『Lord of the Rings』。同名の映画が題材

『Future Pinball』の製作者が、こうしたピンボール・マシンの状況を踏まえたうえで、どういう意図を持ってこのピンボール・シミュレータに"Future"と名前を付けたのかは分からない。
しかし、ピンボール・マシンを追い立てたビデオゲームの中にこそピンボールの未来がある、というのはなんとも皮肉な話ではある。

だが、そのビデオ・ピンボールにおいても、長らくWindowsに付属し、多くの人々がピンボールを知るきっかけになったであろうピンボールゲーム『3D Pinball 'Space Cadet'』が、次世代WindowsであるWindows Vistaには収録されないこととなった。

pinball_2.jpg
・『Space Cadet』。元々はMaxis社の『Full Tilt! Pinball』の台のひとつ


…もはやピンボールが完全に忘れ去られる日も、そう遠くはないだろう。

そのような状況の中でも、『Future Pinball』は果敢に、そして確かにピンボールの未来を繋ごうとしている。


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  1. 2007/07/18(水) 00:48:00|
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Pendulumania:マウス操作の妙

マウスで操作を行うゲームは数あれど、このゲームほどマウス操作であることが活きているゲームは他に類を見ないであろう。

そのゲームの名は『Pendulumania』(ペンジャラマニア)。
タイトルからしてなんとも不思議なゲームである。

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『Pendulumania』のルールは、ゴム紐のついた振り子をマウスで移動させてヨーヨーのように振り回し、ボールをターゲットにぶつけていく。
これだけである。
ゴム紐が伸びているところでターゲットを破壊することで、より高得点を狙うことができるが、ゴム紐を伸ばしすぎるとゴム紐がちぎれてしまいゲームオーバーとなる。

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・ゴム紐を伸ばして…

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・ターゲットを破壊せよ!

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・紐が伸びすぎるとちぎれる。ああ無情…

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・ターゲットの出現位置はカーソルで予告される。連続破壊でスコアアップを狙え


操作はマウスの移動のみであり、クリックさえ使用しない。
シンプルなルールゆえ、すぐにゲームに入り込むことができる。

それでいながら、マウスのコントロールには慎重さと大胆さを要求される。
フィールドには重力が存在しており、紐が伸び縮みするゴムであることも加わって、マウス操作のフィーリングは『Pendulumania』ならではのものがある。

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・赤いターゲットを壊すとボールが大きく重くなる。コントロール感覚が変わる曲者

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・ルールや操作は簡単。でも、極める道は果てしない

『Pendulumania』はシンプルさと奥深さを兼ね備え、初心者にも上級者にもそれぞれのレベルに合わせて楽しめるゲームである。
『サムライバーガー』の作者・架歩氏は、『サムライバーガー』の製作にあたり、こうした『Pendulumania』のスコアリングや操作感を手本にしたと自身のウェブサイトで述べている。


重厚濃大な大作ではないが、操作性が生み出すゲームの妙がにじみ出ている作品である。


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  1. 2007/07/16(月) 10:40:27|
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アンディー・メンテ:不可解なる存在

現在、フリーゲーム界において最も長くコンスタントに活動しており、著名なゲーム作者は誰か?
そう問われたならば、まず「アンディー・メンテ」の名前が挙がるだろう。

「アンディー・メンテ」は1997年2月に発足したゲーム・レーベルである。
活動開始からの作品数は100作を超え、さらにそのほとんどがメンバーのジスカルド氏一人によって製作されている点も驚異的だ。
ゲームの製作ペースでフリーゲーム界に並ぶものは恐らく居ないだろう。

ジャンルも多岐にわたるが、中でもアンディーメンテが得意とするのは、キャラクターの育成やアイテムの収集・合成を主軸とした、じっくりと時間を掛けてプレイするタイプのRPGや経営シミュレーションゲームである。
アンディー・メンテ製RPGの特徴として、一般的なRPGに見られるフィールドが存在せず、ひたすら「歩く」ボタンを押すことでゲームが進展すること、「得点」の概念が存在すること等が挙げられる。

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・『スターダンス』

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・『ライヂング★スター』シリーズ

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・『アールエス』

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・『ラブリー・ラッピング』

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・『スミレの花』

そのほかにも様々なミニゲームや、デスクトップ・アプリケーションをリリースしている。
近年の作品の中には縦スクロールシューティングゲームも見られる。

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・『0次元キャットアルマゲドン』

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・『チャッティド・カード』

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・『ほるほる』

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・『スペースクウィーン』


もうひとつアンディー・メンテ製ゲームで特筆するべきことは、その世界観だ。
まず始めに眼に飛び込んでくる、Windows標準付属のペイントソフトを駆使したと思われるビジュアル群はあまりにもインパクトが強い。
更には、アンディー・メンテの各作品はSF的な世界観の元で繋がっており、特にコードウェイナー・スミスをはじめとするSF小説からの引用が顕著である、とされている。
しかし、銀河系を股にかけつつも、剣や魔法といった中世風ファンタジーの要素も混ざっており、かと思えば攻撃方法が「でこぴん」であったり回復アイテムが「スティックパン」であったりと、その不可解さではパブロ・ピカソの絵画を遥かに超える。
製作されたゲームの中には、次元の歪みがそのまま具現化してしまったような不条理な作品も多い。

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・『ビクトリー』シリーズ

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・『ミサ』

女性向けの男性同性愛要素を含んだ作品もあり、『ウトナと3人の騎士』や、
『ジスロフ帝国の興亡』『自給自足』『怪盗プリンス』等の一連のシリーズなどがこれに該当する。
また、そうした要素を持つ有料の成人向けゲームも作成・販売している。

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・『自給自足』


かように独自の世界を築いているアンディー・メンテ製ゲームだが、その最大の難点は「取っ付きの悪さ」に尽きる。
ある種の毒々しさすらある絵と、意図的なものと思われる大量の誤字脱字、難解で内輪受けの雰囲気も感じさせる世界観は、もはや他人に理解させないことを目的としていると疑わざるを得ない。

また、膨大なプレイ時間を必要とする、ゲーム中のパラメータ等の要素に対する説明が少なく何をすれば良いのかが分かり難い、取れるアクションの少なさの割にランダム要素が異常に強く戦略性に欠くなど、プレイ上の快適さやゲーム・バランスもお世辞にも良好とは言いがたい。

アンディー・メンテのゲームは第一印象の時点から人を選ぶことは疑いようがない。


恥ずかしい話ながら、フリーゲームを伴侶に長年連れ添っている筆者ですらも、アンディー・メンテの名がフリーゲーム界隈では有名なブランドとして通っているにも関わらず、その雰囲気から手を出すことに抵抗があり、当blog内で取り上げるために初めてアンディー・メンテ製ゲームに触れた次第なのだ。

一人のヘビー・ゲーム・プレイヤーとしてアンディー・メンテ製ゲームを見てみると、アンディー・メンテ製ゲームは傍目につまらなく見える。
また実際にプレイしてみても、システム面で他のビデオゲームに見られないような強烈なアイデアがあるわけでもなく、展開も致命的なまでに単調で没入できず、マウス操作に疲れて投げ出したゲームが大半だった。

知恵を絞るわけでも、指先を駆使するわけでも無く、ただひたすらクリックに時間を掛けるだけの行為を世間では「やりこみ」と呼称するのだろうか?
そんな疑問が先に来てしまったのだ。

唯一、筆者の心の琴線に触れたのは『AIRAM EVA』(アイラム・イヴ)だろうか。

am_airam00.jpg


am_airam01.jpg
・『AIRAM EVA』。医療現場という題材は馴染みやすく、そして壮絶。


アンディー・メンテのゲームは良くも悪くもカルト的であり、ありていに言ってしまえば「これはひどい」級のクソゲーばかりである。

だがそれは恐らく、アンディー・メンテのゲームが逆説的にフリーゲームでなければ出せないゲームであり、その発狂したセンスと相まって”アンディー・メンテにしか創り得る事のできないゲーム”である事には間違いないのだろう。


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テーマ:無料ゲーム紹介 - ジャンル:ゲーム

  1. 2007/07/16(月) 01:42:19|
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