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フリーゲーム/インディーズゲームをディープに語る

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日本製インディーズゲームの翻訳事情

日本製インディーズゲームは、今や海外からも注目を浴びるようになってきている。
例えば、海外のインディーズゲーム情報サイトIndependent Gamingの情報捕捉の素早さは、サイトをチェックするたびに驚かされるものがある。

では、そこに横たわる「言語の壁」を超えて、海外から日本製インディーズゲームが注目されるようになったのは、はたして何時ごろからなのだろうか?


残念ながら筆者には、この疑問に対して厳密に時期を特定できるだけの知識や情報を持ち合わせてはいない。
しかし、可能な限りの推測をしてみたい。


筆者は、日本製インディーズゲームが海外に大きく注目されるようになったポイントのひとつに、2000年代前半の日本製インディーズゲームの発展と、その中で生まれたABA Games製の一連のシューティングゲームの存在があるように思う。

2003年、ゲームキューブ版『斑鳩』(ATARI/トレジャー)が海外でリリースされて高評価を受け、
"shoot'em up"、いわゆる2Dシューティングゲームが海外のコアなゲーム・プレイヤー達に見直されるきっかけとなった。
そして、次なる2Dシューティングを探す海外コアプレイヤー層に滑り込んできたのがABA Gamesの『rRootage』や『Noiz2sa』だった、というのは想像するに容易である。

ABA Games製ゲームが海外で大きく広まった要因としては、次のような点が挙げられるだろう。
・2Dシューティングゲームであり、画面を見てゲームルールを把握しやすい
・抽象的なグラフィックだけで構成されており、翻訳すべきゲーム内テキストが存在していない
・英文マニュアルが付属している
・インターネット上でフリーウェアとして公開されたため、海外からでも入手しやすい

もちろん、はじめから海外での大きなヒットを狙うためにこうした工夫を凝らしたのではなく、世界中から閲覧することができるインターネットという場の特性を知ったうえでの「ささやかな配慮」だという域の話ではある。
しかしそれが結果として海外からも広く認知される事になったと、筆者は考える。



そのABA Gamesと対照的な動きをしたと言えるのが、『Noiz2sa』などと同時期に同人でリリースされ、現在でも爆発的な人気を得ている上海アリス幻樂団『東方紅魔郷』、並びに一連の『東方』作品(以下『東方project』)になるだろう。

『東方project』の特徴として留意すべきなのは次の点。
・同人ソフトであり、基本的には日本国内でしか製品版を購入する手段が無い
 (インターネット上ではステージ3までのデモ版しか入手できない)
・英訳マニュアルの不在
・キャラクター同士の会話シーンの存在と、その英訳の不在

こうした特徴はまさにABA Games製ゲームの逆を行くものである。
もちろん後になって『東方project』にもファン翻訳の英訳パッチが製作されてはいるが(※Touhou Wiki を参照)、
しかし結果として『東方project』の海外での知名度は、ABA Gamesのそれと比べると一歩出遅れた感があるのは否めないところであろう。
そしてそれは、現在の日本国内や海外の各シューティングゲーム作家達の作風にも現れているようにも思う。



ABA Games以降、いくつかの国産インディーズゲームが注目を集めていくようになったが、現時点で最大のターニングポイントとなったのはやはり開発室Pixel『洞窟物語』になるだろう。

『洞窟物語』においては、ゲームそのものの完成度もさることながら、「ファンの有志によって翻訳版が作成された」ということ、これが最大の特徴だと言える。
海外ゲーム情報サイトInsert Creditによって『洞窟物語』が取り上げられるや否や大きな注目を呼び、Insert Credit内のフォーラムにおいて翻訳プロジェクトが立ち上がった。
そしてプロジェクト発足1ヶ月後に翻訳作業が終了し、全メッセージを英語化するパッチが公開された。

海外ゲーマー達が、その熱意で言葉の壁を越えてきた瞬間である。



『洞窟物語』以後は、海外からのプレイヤーに対応するため、日本製インディーズゲームに翻訳を付与するケースが散見されるようになってきた。

例としては、GR3 Projectの『LA-MULANA』が『洞窟物語』と同じくファンによって英訳された。
その後GR3 Projectのメンバーが立ち上げたゲームブランド・NIGOROでは、『薔薇と椿』(海外タイトル:"Rose And Camellia")の翻訳を有識者の協力の元で行っている。

ノベルゲームの翻訳を数多く手がけているinsaniは、ステージ☆ななのフリーウェア・ノベルゲーム『ナルキッソス』の英訳を行った
また彼らは、日本人からも有志を募ってフリーウェアのノベルゲームを英訳する『al|together』(オールトゥギャザー)というイベントを行っており、ただ英訳を行うだけではなく、ゲームの翻訳を推進していくという動きを垣間見ることができる。



そして2007年10月中旬、こうした翻訳事情に大きな動きがあった。
同人サークル・スタジオシエスタが横スクロールシューティングゲーム『トラブル☆ウィッチーズ』を英訳の上、海外圏での販売を検討中である、との報が入ってきたのである。(海外タイトル:"The TOMBOYISH WITCHES")
「同人ゲームを翻訳した上で海外で販売を行う」という”打って出る”試みは今までに類を見ないものであり、今後の動向が注目される。



2008年初頭、「ヤルハラ」として知られているフリーゲーム作家の丼氏が、自身のBlogにおいてフリーゲームの多言語対応化についての考察を行っている。
さらには2008年3月、自身の作品である『ナノスマイルズ』などを英語化し、英語化したフリーゲームを公開し海外へ紹介していくWebサイトとして、EngRish Gamesを立ち上げた。
丼氏のblogの当該記事によれば、EngRish Gamesというサイト名には「英語が下手でも構わず、積極的にフリーゲームを英語化しよう」という想いを込めた、との事であり、
作家側からもゲームの英語化を強く意識しなければならない時代に差し掛かっていると言えるだろう。

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  1. 2007/11/13(火) 22:25:11|
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