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フリーゲーム/インディーズゲームをディープに語る

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同人格闘古今東西

2000年代前半に大きく発展を遂げたインディーズゲーム。
その中でも特に人々を強く惹きつけたのが、同人サークル製作による2D対戦格闘ゲームであったように思う。

ここでは、同人製作による格闘ゲームの数々を簡単に振り返ってみたい。


同人製作による格闘ゲームにおいて、まず真っ先に挙げなければならないタイトルと言えば、1998年~2000年頃にわたってリリースされた、渡辺製作所『THE QUEEN OF HEART』(QoH)だろう。

『QoH』は『ToHeart』などのLeaf社のノベルゲームに登場するキャラクターを使用した2D格闘ゲームで、当時の格闘ゲームの「いいとこどり」になっている点が特徴と言える。
キャラクターによっては『ストリートファイター3』の「ブロッキング」システムや、格闘ゲーム版『ジョジョの奇妙な冒険』の「スタンド」システムを搭載しているものも居るため、さながら格闘ゲーム界の異種格闘技戦といった情緒を漂わせている。

また、システム的な部分に注目すると、コマンド技の入力が簡単なものに抑えられている、コンビネーションが繋がりやすい、「2段ジャンプ」や「攻撃の相殺」がある、4人同時対戦モードが存在するなど、ファミリーソフト社の佳作格闘ゲーム『あすか120%』の影響が散見されている。

なにより『ToHeat』のヒロイン「神崎あかり」に設定されている必殺技が、『あすか120%』の主人公「本田飛鳥」の必殺技ほぼそのままであるという点は、『QoH』が『あすか120%』から影響を受けていることを如実に表しているだろう。

それもそのはずで、『QoH』は『あすか120%』のスタッフによって製作されたと言われている。
古くからプロとしてパソコン用格闘ゲームを製作していただけあって、操作性やエフェクトなどの面で技術力は高く、業務用や家庭用の格闘ゲームと比較しても遜色ないものになっている。


ともあれ、『QoH』の高い完成度は評判を呼ぶことになり、『QoH』を境に「同人ゲーム」の認知度は大きく高まった。
『QoH』はまさしく、今日までの「同人ゲーム」の流れを生み出した源流だと言える作品である。
筆者もまた『QoH』で「同人ゲーム」の存在を知った一人だ。



『QoH』の後にリリースされ、その方向性を更に推し進めたのが、黄昏フロンティア『Eternal Fighter Zero』(EFZ)。
Tactics社の『ONE』、Key社の『Kanon』などのキャラクターが入り乱れる格闘ゲームだ。

ありとあらゆる攻撃を中断して更に連続技を繋げることができる「インスタントチャージ」による
連続技重視のゲーム展開が『EFZ』の特色だといえる。

『EFZ』は、Key『AIR』のキャラクターを追加した『Blue Sky Edition』、更にTactics『Moon』のキャラクターを追加した『Bad Moon Edition』の2度のメジャー・バージョンアップが行われているが、イベントでは新バージョンを未完成品の状態のままリリースすることが度々あり批判を受けた。
しかしそれ自体は誉められたことでは無いにしても、結果としてインターネット上でパッチによるサポートや対戦バランスの調整が続けられ、『EFZ』の完成度の高さ、作品としての息の長さに繋がっているようである。



『QoH』や『EFZ』の登場によって「自分達でも格闘ゲームを作りたい」という欲求が自然と高まりを見せた。
そうした欲求はエンターブレイン社の2D格闘ゲーム制作用ツール『格闘ツクール2nd』のリリースという形で上手く応えられ、数多くの格闘ゲームが製作されるようになった。
またこの時期、Elecbyteが開発した2D格闘ゲームエンジン『M.U.G.E.N』も脚光を浴びることとなった。



そして、『QoH』で名を馳せ、その後も『Party's Braker』『GLOVE ON FIGHT』などリリースした渡辺製作所が、TYPE-MOON『月姫』とがっぷりとタッグを組んだのが『MELTY BLOOD』である。

『MELTY BLOOD』における同人ゲーム同士のコラボレーションは驚きを持って迎え入れられた。
ましてや、かたや格闘ゲーム、かたやノベルゲームで人気を二分する同人サークルが合同製作した『MELTY BLOOD』は、まさしく同人の同人による同人の為の同人ゲームというにふさわしい。
その後『EFZ』の黄昏フロンティアが、『東方萃夢想』(上海アリス幻樂団)、『ひぐらしデイブレイク』(07th Expansion)などで同様に他の同人サークルとのコラボレーションを見せているのがまた興味深い点である。

ゲーム自体は一連の渡辺製作所の作品や『EFZ』などの同人格闘ゲームの流れを汲んだ集大成と言える。
また、『MELTY BLOOD Act Cadenza』としてアーケード移植されたことも大きな話題となり、更にその移植版がPlayStation2用ソフトやWindows用パッケージソフトとしてリリースされている。

こと『MELTY BLOOD』に関しては、恐らく筆者よりも詳しくご存知な方も多いことだろう。



『MELTY BLOOD』の商業化と共に、同人界隈における2D格闘ゲームの隆盛は一息ついたかのように見えたが、今また新しい流れが生まれようとしている。

SUBTLE STYLE『アカツキ電光戦記』がそれだ。

『アカツキ電光戦記』は複雑な操作を廃し、「打撃」「投げ」「攻性防禦」の3すくみによるシンプルな読み合いに軸を絞ったシステムを持つ。
更に、高速通信網の普及に合わせてオンライン対戦機能を標準搭載しており、対戦相手を探すことに気兼ねしなくて済むのも大きな魅力となっている。

『アカツキ電光戦記』もまた『MELTY BLOOD』同様にアーケードへの移植が決定している。
だが、アーケード移植されることそのものより、むしろ「二次創作の多い同人の世界において、オリジナルのシステムや世界観・キャラクターを持つ2D格闘ゲームが製作され、プレイヤー達に受け入れられる土壌が生まれてきている」という点こそを、ここでは注目するべきだろう。


現在は「格闘ゲーム」というジャンル全体の行き詰まりが語られるようになって久しい。
しかし、既存の概念やキャラクター人気などに囚われることなく、インディーズ・ゲーム・クリエイター達の個々の創造性が発揮され、こうした声を覆していく可能性もまた、十分にある。

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  1. 2007/11/23(金) 02:18:43|
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