自由遊戯黙示録

フリーゲーム/インディーズゲームをディープに語る

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IGDA日本 同人・インディーゲーム部会(SIG-Indie) 第1回研究会 レポート (2)

第1部から続く)

○第2部

第2部ではフリーゲーム・同人ゲームの著名作家らによる講談が行われた。


・長健太 (ABA Games
 「フリーゲームにまつわる幸せなエコシステム」


フリーウェアの弾幕シューティングゲームで世界的に著名な長 健太氏は、まず、フリーゲームを”アマチュアゲーム開発者がネット上で無料公開しているゲーム”と定義したうえで、スライドにて、”作る人”が”遊ぶ人”に「遊んでみて!」と発信し、”遊ぶ人”が”作る人”に「面白かった!」と返信するサイクルを図示。
このサイクルをいかにして進め、フリーゲームが溢れる世の中にしていくか?という観点からの説明を行った。

●長氏の略歴
 ・なぜ同人では無くてフリーゲームなのか?
  →みんなが簡単にゲームが配布できるため。インターネット以前は発表の場が無かった。
 ・どうしてタダにしているのか?
  →ゲーム作りそのものが楽しいし、みんなが遊んでくれるのが嬉しい
 ・フリーゲームの楽しさとは?
  →商業ゲームには無い荒削りさ、突飛な発想
   例として「Garden Gnome Carnage」(ビルを操作してサンタクロースを煙突に突入させないようにするゲーム)を紹介

●ゲームを作りたい!
”作る人”の詳細なサイクルとして、「ゲームを作りたい→開発→できた→遊んでみて!」というサイクルを図示。
フリーゲームは”好きなように作ればいい”が、その分製作を投げ出してしまうことも簡単である、と問題を提起。
それをどのように解決するか?について発表を行った。
 ・アイデアが無い!
  →他のゲームをネタとする
   長氏の代表作『TUMIKI Fighters』ではナムコ社『フォゾン』、『塊魂』などから着想
   レトロゲーム作品を基にすることが多い
 ・飽きた!
  →飽きる前に作りきるに限る
   不得意な部分(グラフィックやサウンド)は誤魔化す
 ・いまいち
  →数打ちゃ当たる方式でたくさん作る。
   プロトタイピングで1週間程度で遊べるようにするのが理想。
   捨ててしまったゲームは次のゲームの糧にする。
   公開して意見を募るという手もあるが見極めが難しい。


●ゲームを遊んでみて!
 ・どうやって公開するか?
  PCゲーム/ブラウザゲーム/モバイルゲーム/コンシューマ機/オープンソース機といった選択肢がある。
  ゲームの公開方法に関しては、多くのフリーウェアに見られる
  「圧縮ファイルをダウンロード、解凍、実行」は既に遊ぶ側にとって手間が掛かるものになっている。
  ブラウザ上で遊べるものが良い、とした。
 ・海外向けを考える
  ・アクションゲームであれば、直感的でシンプルな操作系やシステムがあればOK
  ・簡易な英語ドキュメントで対応
  ・英語でのメールのやり取り
 ・オープンソースについて
  ・移植や改造を視野に入れるならオープンソースがよい
  ・移植性の高いライブラリを使うこと
 ・コンテスト向けに応募する
  ・締め切りに注意
 ・商品化について
  ・商品化が最良なパスかはわからないが、多くの人に遊んでもらえるのは作者冥利に尽きるといえる。
  ・商品化に届くには何が重要なのかは判らない。斬新さ?作りこみ?面白さの担保?


最後に長氏は、フリーゲームが世に溢れるようにするためには、短く作り、手早く公開するのがよい、と結論。
「ゲームが面白いから、自分でもゲームを作りたい」というパスについては敢えて述べず、「作る楽しさ」「遊ぶ楽しみ」をどう伝えるか?を宿題とした。




・渡辺訓章 (kuni-soft
 「ゆとり開発 ~普通の場所でのゲーム作り~」


渡辺 訓章氏は1990年代前半、PC-9801をプラットフォームに、当時高校生で同人ゲームサークルとして活動していた。
その時の経験から、同人ゲームを開発する上での注意点を大きく4点に分けて説明した。

●熱意は冷めやすく、上書きされやすい
 ・開発を続けるには刺激が不可欠
  ・一般的な学校では刺激に乏しい
   (進路にほぼ影響しない、競う相手も身近に見当たらない、成功イメージも不鮮明)
  ・無理して刺激を作ることも出来るが難しい
   ・高い機材を入れて後に引けなくする
   ・仮想敵を作る
  ・少ない刺激でも開発を持続できるやりかたを考える
   ・今の楽しさを重視、我慢しない
   ・作ったゲームで遊ぶ楽しさと、作る事自体の楽しさを区別しない

●任せない
 ・作業をこなす能力と「人に見せる」ことは別問題
  ・「人に見せる」ことはネット時代でも大きなハードル、考えると不安になりやすい
  ・作業を頼んだ人・頼まれた人、個人間の関係に帰着させる
  ・常に任せないわけではないが、完全に任せっぱなしではメンバーが迷ってしまう。ケアも必要

●待たせない
 ・参加者にとってゲーム製作が何番目の興味か判らない
  →参加メンバーも必ずゲーム優先で作業してくれるわけではない
 ・作っているゲームが誰の作品か?という意識
  ・メンバーに自分の作業がどれだけ反映されたかを意識させる
   グラフィックやサウンド素材は溜め込まず、短いスパンでゲームへ組み込む
  ・他のプレイヤーの反応、生の空気も忘れない
   →当時の渡辺氏には学校の部室があった
  ・必要だからと言ってメンバーに作業を強要させない
   「見たい」「見せたい」という気持ちを重視する

●焦らない
 ・スケジュールに遅れがあっても、ペースが整った”順調な遅れ”なら問題なし
  ただしボトルネックに引っかかり、遅れを取り戻しても±0にしかならないというのなら仕切り直しも重要
 ・敢えて買い手のことは意識しない


余談として、「現状は”馴れ合い”的に、特定の人に向けて作品をリリースしていても回っている。”より広く”を考えるのはもっと後でも十分」
また、作品発表の場としてコミックマーケット(コミケ)が大きくなりすぎたとして、
「未完成品のアピールでも構わない場所がどこかに欲しい。ニコニコ動画における「~してみた」動画のスタンスで、作者を暖かく見守ることも必要。」と締めくくった。




・藤崎豊 (フランスパン
 「同人ゲームサークルの1プログラマとしての過去・現在・未来」


藤崎 豊氏の所属する同人サークル「フランスパン」は、今日まで続く同人ゲームの流れの火付け役ともいえる格闘ゲーム『Queen of Heart』を製作した「渡辺製作所」を前身に持つサークルである。
藤崎氏は自身の体験を過去・現在・未来の3センテンスに分けて発表を行った。

●過去編
 ・ゲーム製作の経緯
  ・小さいころからゲーム好きだった
  ・PCでゲームを作れることを知った
  ・コミックマーケットでの存在
   →最初はゲームの攻略本を書くサークルとして参加していた
 ・ゲーム製作(プログラム)の学習法
  ・独学。本やサンプルプログラム
  ・コードの丸写しをせず自力実装
  ・既存ゲームの研究

●現在編
 ・日常のゲーム開発の仕方
  ・週一回必ず集まって打ち合わせや作業をする
   →意思疎通ではネット越しよりも直接のほうが有利
   1.簡単なゲーム案をプログラマに伝える
   2.箇条書きのテキストや画面イメージでゲームのイメージを示す
   3.プログラムを製作しながら肉付けを行う。
     最初から多くのことをやらないようにする
 ・開発マネージメント法
  ・製作責任者を立てる
   →スケジュール管理、アイデア採用の判断を行う
  ・長期的なスケジュールを立てる
   同人イベントの開催に合わせるのが主
  ・ソフトが売れたときのお金の分け方を決めておく
   金銭関係は揉め事になりやすい
 ・モチベーション維持法
  ・息抜き…短期間で別のものを作る(あくまでも短期間で)
  ・作業…スケジュール通りに行う努力、作業に集中する時間帯を設ける
  ・目標を持つ
 ・ゲーム完成させるには?
  ・ゲーム内容…コンパクトに作る。自分の技量を考え、妄想はほどほどに。
  ・スケジュール…短期・長期の目標を決める。遅れたら取り戻す。
  ・製作作業…要素を分解して考え、まずは動くものを作る。
        例としてアクションゲームであれば、
        絵が表示され、キー操作を受け付け、キャラクターが動く、という所まで優先して作る。

●未来編
 ・今後危惧している事
  ・情報の入手方法の分散
   以前は書籍などでまとまった知識が入手できたが、現在はネットに分散している
  ・開発の敷居の上昇
   ・簡易な開発環境が無い
    現在ではグラフィックを1つ表示させるのにもいくつもの手順を踏まないといけない
   ・技術発展の速さ、取得難易度の上昇
    調べなければならないことが増えた
  ・ゲーム内容の複雑化、求められるクォリティの上昇
 ・これからのこと
  ・製作者間での活動(技術交換など)
  ・イベント活動
   ・同人サークル主体の交流イベント
   ・「パソケット」のような、同人ソフト専門の即売会の復活
    →そのまま復活させても駄目で、工夫が必要
  ・その他
   ・雑誌の刊行
    →製作者インタビューや開発講座、ゲーム紹介、ユーザーからの質問など
   ・同人ゲーム情報サイトの復活
    プレイヤー・作者自身が情報を発信できる場所作り
   ・小規模なゲーム開発に使える、仕様を割り切ったライブラリの開発


開発手法の部分では、企画とグラフィックを担当しているサークル代表・なりたのぶや氏の存在も大きいとしていた。
なりた氏が作業を小出しにしつつ全体像を見るマネージャー的な役割を担っている、との事である。




・片岡とも (ステージなな
 「同人と商業の境界」


片岡とも氏はフリーウェア・ノベルゲーム『ナルキッソス』シリーズを個人で製作しており、アダルトゲームメーカー・ねこねこソフトのシナリオライターとして商業ゲーム開発も行っている。

片岡氏は先の3人の講演者のようなスライド等を準備しておらず、フランクな雰囲気での講談となった。
議題である「同人と商業の境界」について、「同人とは何か?」について明確に答えられる人間はいないとしながらも、次のようなことを”同人”と”商業”の定義として挙げた。

・同人→何をやってもいい。
・商業→利益を出し、企業を存続させるのが目的。

また自身の主観として、「自身が作りたいもの」と「プレイヤーに遊んでもらいたいもの」の比で、「自身が作りたいもの」が上回れば、それは”同人”である、と述べた。

ゲーム製作では、「自身の作りたいもの」を作る上で個人による創作というスタイルを取っているが、
時間などの問題から絵や音楽を人に頼むことも多い、との事。
フリー公開については、転載を自由にすることで、よりたくさんの人に見てもらえると言う点を理由としていた。




・澤田進平 (筑波大学) 
 「『全日本学生ゲーム開発サークル連合』の紹介」


第2部の締めくくりとして、『全日本学生ゲーム開発サークル連合』(全ゲ連)の澤田 進平氏より同連合の紹介が行われた。
学生は同人サークルや企業などに比較して交流が少ないため、それを補うための組織として設立されたとの事である。

動的ゲーム製作や3Dなど高難易度の技術的な問題に加え、学生団体ならではの課題として、数年ごとにメンバーが入れ替わり、技術の継承がうまくいかないことを挙げていた。



第3部へ続く)
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テーマ:無料ゲーム紹介 - ジャンル:ゲーム

  1. 2009/05/04(月) 00:02:00|
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