自由遊戯黙示録

フリーゲーム/インディーズゲームをディープに語る

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IGDA日本 同人・インディーゲーム部会(SIG-Indie) 第1回研究会 レポート (3)

第2部から続く)

○第3部

第3部のパネルディスカッションでは、第1部・第2部の講演者に加え、
ノベルゲーム『ひまわり』を代表作に持つ同人ゲームサークル「ブランクノート」のごぉ氏が参加し、
各メンバーより出された議題を元にディスカッションが行われた。

ここでは各メンバーの発言をピックアップして紹介したいと思う。


●議題1.プレイ時間(ごぉ氏)
ゲームをコンパクトに作るうえでもプレイ時間を短く設定したいが、ボリュームやクオリティも求められる。
ゲームのプレイ時間を長く設定すれば「長い」と言われ、
短く設定すれば手に取る人は「つまらないゲームだ」という先入観を持たないか?


「動的なアクションゲームであれば、10分で1ステージなど区切りがある。
 社会人はゲームの時間が取れないので区切りが重要。」(藤崎氏)

「短ければ短いほど良い。何回も繰り返し遊んでもらえることが重要」(長氏)

「ストーリー物でも短くて満足できれば理想的」(片岡氏)



※片岡氏は自身の講談でも「1つのゲームは3時間が限度ではないか」と発言し、値段据え置きの映画や小説と比べて、ゲームが「量を増やす」方向に向かっている事に釘を刺していた。
理由無くプレイ時間が長いだけの作品は当然ながら問題であり、プレイ時間の問題は、ゲームの量以上に”密度”こそが問われるべきであろう。
新氏によれば、商業ゲーム開発者の集いであるGDCにおいてもプレイ時間について議題に上ったとの事で、プロ・アマを問わない問題であることが伺える。




●課題2.小さいゲーム(長氏)
洞窟物語』を筆頭にクォリティが高い作品ばかりが目立つようになってしまった。
小さいゲームをみんなで楽しめる場所があるのか。そうした場所をどう作るのか。
小さいながらも光るものがあるゲームをどう作るのか。


「昔の雑誌のように開発者視点での説明があれば良いのではないか。
 評論家のような人たちが色んな視点で意見を伝えるメディアが欲しい」(渡辺氏)

「”小さなゲーム”は生き残ると思うが、そうしたゲームの情報を得る場所が無い。
 情報交換の場や発掘作業をしてくれる人が必要」(藤崎氏)

「”小さいけど光るゲーム”は完成されたゲームのように思う。
 ”小さいし何も光らないゲーム”こそが大切。
 そうしたゲームを作る人が支える世界だし、そうした方向性を持つサークルが増えて欲しい。」
(ごぉ氏)

「昔は光らないゲームであっても議論が活発にあった。
 最近ではそうした具体的な指摘が出てこない。
 ”つまんない、以上!”の世界になってしまった」
(藤崎氏)

「無料でゲームを楽しみたい人は企業運営・商業ベースのオンラインゲームがメインになっている。
 モバイルゲームではメールで感想を返したりはしない。
 風潮の変化があるのでは」
一般参加者(フリーゲーム開発者)

「商業メディアで同人ゲーム取り上げるのは利益が出ないため、誰もスポンサーにならない。
 米国ではGDCというビジネスモデルがあるために可能なこと。
 フィードバックのシステムはiPhoneで機能している」
(新氏)

「製作者もプレイヤーも変化した。
 成功例が増えたため、製作者がヒットを意識してしまう。
 プレイヤーも母数が増えたために評価の数が減ったように見えるだけかもしれない」
(片岡氏)



※フリーゲームに対する言説が失われているという点については筆者も実感するところであり、筆者が本Blogを執筆する大きな動機のひとつにもなっている。
ひとつのゲームについて「神ゲー」「クソゲー」の一言で済ませるのではなく、どう面白かったのか、どうつまらなかったのか、そうした点についてもっと言葉を尽くして欲しいし、そのための手本になれれば、と願う次第である。



●課題3.ユーザーへのゲームへのアクセス(藤崎氏)
同人ど~らく」をはじめとして、ゲーム情報サイトの更新頻度が低下・停止し、製作者・プレイヤーはそれぞれ影響を受けたか?
1ユーザーとしては同人ゲームにたどり着きにくくなっていると実感している。


「作家側として、たとえばWebサイトのアクセス数にに影響はあったか?」(七邊氏)
「アクセス数などについては普段から意識していないのでわからない」(藤崎氏)
「中小のサークルの影響が大きい。大手はブランドで引っ張っている印象がある」(七邊氏)

「ゲームの出ている数が多くなった。ユーザーは足で歩いて探して欲しい。
 ユーザーの反応、レビューサイトの感想は見たいが、
 製作者はそれが無いからと言ってモチベーションを落としてはいけない」
(ごぉ氏)

「情報サイト停止でアクセス数に影響があった。
 開発者側からの宣伝の取り組みは?
 ひとつの案として、皆で書き込めるwikipediaの同人ゲーム版に相当するものがあると良いのでは?」
一般参加者(同人ゲーム開発者)

「同人ソフトの売り切れ率は並ではない。
 通販予約などの対応を考えて欲しい」
一般参加者(同人ゲーム開発者)

「ダウンロード販売サイトは機能していないのか?」(新氏)
「本数が出ているところで月に3~4本」(七邊氏)

「製作者が専用ページやスクリーンショットの規約などを作ってくれると
 紹介する側も気が楽」(藤崎氏)

「MMORPGのファンサイトでもそうだが、記事を書く人のモチベーションも重要なのでは」(新氏)



※お世辞にも更新頻度は高くないサイトの筆者には耳の痛い話である反面、作家側の努力も必要なのではないかと思う部分もある。
海外の大手インディーズゲームニュースサイト「TIGSource」の編集長Derek Yu氏は、ニュースサイト運営に精力的に活動している一方で、自身も『Eternal Daughter』や『Aquaria』の開発に関わったインディーズ・ゲーム・クリエイターでもある。
Derek氏ほどの積極的な活動とまではいかなくとも、”大手”のゲーム開発者が他のゲームを推薦する事には一定の効果があるのではないだろうか。




●議題4.フリーソフトから同人ソフトへの流れ(渡辺氏)
小さくてよくできたゲームで、もっと発展して肉付けされたものが見てみたい時がある。
商業化とまでは行かなくとも、増強した有料版があってもいいのではないだろうか?



「Webベースのゲームで有料にした途端に批判が来た例がある。
 単に有料化しただけではユーザーは怒ると思うが、
 プラスアルファがあるのなら歓迎されるのではないか」
(藤崎氏)

「自分でもフリー版公開後にパッケージ版の販売を行ったが、フリー版も公開し続けている。
 高画質、高音質。ネットでは(容量の)大きなものが出せない」(片岡氏)

「最初から機能限定版を作るのも、ずるいがありかもしれない」(渡辺氏)

「欧米ではGDCで発表されたインディーズゲームの買取販売に積極的。
 『リトルビッグプラネット』などはまさにそうして出てきた。
 日本の同人ゲームは宝の山に見えるようだが、言語の壁があってアクセスしようがない」
(新氏)

「オファーは日本より海外からの方が多い。その多くは音沙汰も無い」(長氏)

「日本は商業と同人・インディーの距離が遠い?」(渡辺氏)
「逆に伺いたいが”儲けすぎると叩かれる”のでは?」(新氏)
「ひがんで言うことは稀にあります」(ごぉ氏)

「付加価値をつけるのも簡単ではない。尖ったゲームが丸くなってしまうこともある」(長氏)



※新氏が言語の壁について指摘しているが、実は海外向けに日本産同人ゲームをローカライズして販売する「Rockin' Andrioid」というパブリッシャーが2009年3月末に発足している。
Rockin' Andrioidの第1弾として、橙汁『スグリ』のリリースが予定されているが、この『スグリ』はシリーズ3作とサウンドトラック2本をまとめた”パーフェクト・エディション”となっており、十分な付加価値を持っているように思う。
今後は日本産同人ゲームが海外からオファーを受けることも現実的な物になっていくだろう。







○研究会を終えて

ゲーム開発者ではない筆者が、開発者中心の研究会に参加することは場違いではないのかと不安があったが、結果として、普段はうかがい知ることのできない”開発者側の課題”を垣間見ることができ、大変有意義な時間を過ごせたように思う。

各講演者に共通していた事として「いかにゲームを”小さく”作るか」を挙げていた事が印象的だった。
個人製作の範囲では、開発に割ける人員や資金のリソースは限られており、時間を掛けてクォリティを保とうとすればモチベーションを消耗してしまう。ひいては完成の日の目を見なくなる。
そうした消耗を避ける意味でも「”小さく”作る」ことが重要と言えるのだろう。

「ゲーム作家とプレイヤーの距離感」について思う部分もある。
同人・インディーゲームの分野において、作家とプレイヤーの間の距離というのは「声が届く距離」のはずであり、お互いがもっと交流し、声を伝え、歩み寄っても良い部分なのではないかと思う。
SIG-Indieには開発者だけではなくプレイヤーにも開かれた取り組みを行い、それを継続させていくことを期待したい。






(5/20追記) 他サイトからのレポート

・IGDA Japan公式
SIG-Indie : 「同人・インディーゲーム部会(SIG-Indie)第1回研究会」へのご参加ありがとうございました
IGDA Japan chapter - 講演スライド6つの公開を開始しました


・報道関係
9割がお蔵入りする個人制作ゲーム、完成させる秘訣は - IGDA日本SIG-Indie研究会レポート - iNSIDE
4Gamer.net ― 同人ゲーム開発の現在と将来を探る研究会をレポート。いま,同人ゲームの抱えている問題点とは?

・講演者
2009-05-03 - ABAの日誌 フリーゲームを作っても世界の中でうずもれてしまう問題

・一般参加者
同人・インディーゲーム開発の現状と課題 レポ - yara_naikaの日記
「同人・インディーゲーム開発の現状と課題」に参加 - IMHO
IGDA:SIG-Indie第1回研究会@行ってきました。 - 陰間茶屋
Blank GW進行中&IGDA日本 同人・インディーゲーム部会(SIG-Indie) 第1回研究会「同人・インディーゲーム開発の現状と課題」に行って来ました(簡易レポ)
2009年05月03日のブログ|TidalBeachBlog
650の無味乾燥:IGDA日本 同人・インディーズゲーム部会(SIG-Indie) 第1回研究会 感想
ふろーずんおーぶ 雑記 #304
ねこみみのかけら - Blog » IGDA日本 SIG-Indie第1回研究会行って来た
同人・インディーゲーム開発の現状と課題 - GEOQUAKE Backstage
IDGA SIG-indie行ってきた - おめが?日記
IGDAのイベントに行ってきました。 - あることないこと書きなぐり
IGDA インディゲーム - lolipop candy(fruit strawberry)
同人・インディーゲーム部会(SIG-Indie)第1回研究会「同人・インディーゲーム開発の現状と課題」の最中に考えていたこと - 色々威
「う」のなか SIG-Indie 1 にみる「同人」と「商業」の捉え方
個人制作ゲーム、完成させる秘訣は……愛と勇気と締め切り。 - 徒然CURIOSISM
楚材晋用(そざいしんよう) 同人・インディーゲーム部会
あ おねすと ふぉっくす IGDA SIG-Indie 第1回研究会レポ (同人・インディーゲーム開発の現状と課題)
笑傲江湖(雑記:5月3日)
Garbage Collection - [レポート]SIG-Indie 第1回研究会「同人・インディーゲーム開発の現状と課題」 その1 その2

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  1. 2009/05/04(月) 00:03:00|
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